Dan Abramovさんとお会いした
先日、Blueskyミートアップ東京にてDan Abramovさんと初めてお会いすることができた。
DanさんはReact.jsのco-author、Reduxの開発者として有名。現在はBlueSkyでReact Nativeを用いてネイティブアプリの開発をしてらっしゃる超一流のエンジニア。フロントエンド開発を生業にしている人にとってはアイドルのような人だ。
彼のことを初めて知ったのは、本人のこのブログ記事がきっかけだった。
Things I Don’t Know as of 2018 — overreacted
Linuxコマンドはls
cd
以外知らない。
Python知らない。
低レベル言語はわからない。
これこれの技術は使ったことない…
といういうのをひたすら羅列していくという記事だ。
「こんな有名なライブラリの開発者でも知らないことがあるんだ」と、これを読んで安心したのと勇気をもらった。全てを知らなくても偉い開発者にはなれる。
それからYouTubeのインタビュー動画などで彼をちょくちょく見かけるようになった。自分がReact Nativeの開発者として働くようになってからは、OSSライブラリのGithub IssuesでIssueを立てたり、コメントしているのも見かけるようになった。毎回その回答の明確さとシンプルさに「ほほー」と唸っていた。 (問題解決能力があるのと、解決策を他者に共有したり、協力しながら解決する能力があるのは全然違うことであるとつくづく思う。)
今回生で彼に会って、写真を撮ってもらった後、いつも Github Issueで彼を見て勉強させてもらっていることを伝えると「僕もそうやって先人たちから学んだから、そういうふうになろうと努力しているんです」と穏やかに答えてくれた。僕の中の彼のイメージと全く同じようなイメージ通りで嬉しくなった。
それから「仕事でRedux使ってます」と言うと”I hate it !”と笑って言った後、なんでReduxが嫌いなのか5分ぐらいかけて説明してくれた。正直緊張してて内容あんまり覚えていない。「僕にこんな時間使って大丈夫?」とか考えてた。
…
それからイベントのTLがあって、Blueskyで使われているatprotoについてのプレゼンがあった。
Bigtechが企業のサーバーに全ての情報を溜め込むの現代のSNSの流れに対するアンチテーゼとしての分散型の情報プロトコル。とても興味深いし、こう言うムーブメントは社会にとって必要だと言うことを技術的・社会的理由から納得できるプレゼンだった。1時間の発表の間、Danさんはとても楽しそうにしていて、技術に対する愛みたいなのをすごく感じた。そしてそれは最近僕が忘れていたことだと思う。
元々コンピューターが好きで初めた仕事だった。実際社会で使われているソフトウェアの開発を仕事にすると、とにかく不具合などの失敗を犯すのが怖くて、問題のないコードをできるだけ速く書くことが仕事をしている時の主な目的になっていた気がする。Danさんにお会いして、ソフトウェア開発を楽しむこと。Atprotoのような新しい思想に触れ、ソフトウェアによって社会の仕組み、潮流自体を変えることができるほどのテクノロジーを使った仕事をしていると言うことを思い出した。
帰ってすぐに、個人開発に取り掛かった。この熱が冷めないうちに。熱意を持って仕事をするのがどれだけ面白いかを思い出した。
イベントでは他にもカッコいいエンジニアの人と何人も交流することができた。気軽に申し込んだけど、得たものは多大だった。
関係者の方々。ありがとうございました!